2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

金枝雀(えにしだ)

マメ科の落葉低木で地中海沿岸が原産。日本には江戸時代に渡来したそうです。《金雀枝や基督に抱かると思へ/石田波郷》

桜餅

小麦粉と白玉粉を溶いて焼いた薄皮で餡を包み、塩漬けの桜の葉で巻いた和菓子で、江戸向島の長命寺で売り出したのが始まりと言われているそうです。関西風は道明寺粉を用いて作るとのこと。《わが妻に永き青春桜餅/沢木欣一》

お玉杓子 (かと) 

かと・かとの紐俳句ではお玉杓子のことを『かと』ともいいます。紐状態の卵を『かとの紐』といいます。《天日のうつりて暗しかとの水/高浜虚子》 《川底にかとの大国ありにけり/村上鬼城》

松の芯

松の新芽のことです、若緑、若松、緑立つ、初緑、松の緑などの季語が並列の季語です。 蝋燭のように細長く伸びる芽には力強い生命力が感じられますね。《志(ココロザシ)松にもありて松の芯/鷹羽狩行》 ※写真は深川神明宮内の松の芯です。

これも難しい漢字ですね。旧かなで「さへづり」と書いて「さえずり」と読みます。 そう、鳥がピーチクパーチク鳴くことです。早春から晩春にかけて、鶯、雲雀、メジロ、ホオジロなど、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえます。《囀をぬけて一羽の飛びゆけり/上野…

ライラック(リラ)の花

ヨーロッパ原産。 リラはフランス語で、和名を紫はしどいといいます。《舞姫はリラの花よりも濃くにほふ/山口青邨》《リラの花朝も夕べの色に咲く/阿部みどり女》写真は新大橋江東区側たもと。

菠薐草

これはなかなか読めないと思いますが、「ほうれん草」です。 いろいろな野菜がほとんど一年中食べられる時代ですが、本来の季節は春だそうです。《菠薐草心やさしき子に育ち/岡本美代子》

春、樹木の根元に生えた新芽をひ孫になぞらえて、『ひこばえ』というそうです。ちなみに、地上に浮き出た根を、『走り根』といいます。血脈のようでもあり、人脈のようでもあり…。 《蘖(ひこばえ)や涙に古き涙はなし/中村草田男》

青柳

青柳・枝垂柳・糸柳・若柳万葉集以来親しまれてきたのは枝下柳で、芽吹きの美しさから春の季語とする。《ゆつくりと時計のうてるやなぎかな/久保田万太郎》 《引きよせて放しかねたる柳かな/丈草》

チューリップ

春の花の代表選手。小学校の花壇などでよく見られます。 日本では新潟、富山県で栽培が盛んです。 《チューリップ喜びだけを持つてゐる/細見綾子》《チューリップ花びら外れかけてをり/波多野爽波》

母子草

路傍や空地などに生えています。 花が咲く前の茎と葉は御行(ごぎょう・おぎょう)と呼ばれ、春の七草の1つです。御行は新年の季語になります。 《老いて尚なつかしき名の母子草/高浜虚子》《我ら知らぬ母の青春母子草/寺井谷子》

菜の花

アブラナ科の越年草で、以前は種子から菜種油を採取するために菜の花が多く栽培されていたようですが、いまでは少なくなったそうです。《菜の花や村ぢゆうの柱時計鳴る/宗田安正》

蒲公英

漢字で書くと難しいですが、たんぽぽです。春の野に咲く親しみのある植物ですよね。鼓草とも言うそうです。「蒲公英の絮(わた)」も季語です。《たんぽぽや日はいつまでも大空に/中村汀女》

四月馬鹿

エープリル・フール、万愚節(ばんぐせつ)四月一日、みなさんご存知の嘘をついていい日です。エープリルフールとか言いますよね。春の季語になってます。ちょっと字数が多いので、俳句では四月馬鹿か万愚節の方が句にしやすいと思います。《万愚節跳べそう…