2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

吊忍(つりしのぶ)

釣忍・軒忍シダ植物のシノブグサの根や茎を束ねて球形または月、小屋、舟形などに作ったもの。軒下などに吊るし、充分水を与えることで、緑葉の涼しさを楽しむ。《来ればすぐ帰る話やつりしのぶ/西村和子》

風鈴

江戸風鈴・南部風鈴・風鈴売《風鈴をしまふは淋し仕舞はぬも/片山由美子》《風鈴や浅きねむりの明けそめて/鈴木真砂女》

心太(ところてん)

別名 こころぶと関東は酢醤油に辛子を足したりして食しますが、関西では黒蜜が一般的のようです。故郷が東北の私はこどもの頃に酢醤油に砂糖を加えて食べた記憶があります。《心太大阪暮らしややに慣れ/西村和子》《ところてん煙のごとく沈みをり/日野草城》

氷水・かき氷

昔はかんなで氷を削っていたそうですが、ご存知かき氷は勿論夏の季語。 流行し始めたのは明治時代の初期だそうです。 いろいろな味のシロップや茹小豆、餡や白玉などをかけたり入れたりして食べる、見た目も涼しげな夏のおやつですね。《男にも唇ありぬ氷水/…

花火

線香花火・遠花火・昼花火天文12年(1543年)の鉄砲伝来に始まり、鉄砲を解体して製法を研究した火薬が江戸時代に入り花火に使われるようになります。 古くは盂蘭盆の行事として『送り火』同様、秋の季語とされてきましたが、次第に夏の納涼の意味が強まり、…

西瓜割り

夏の砂浜などでやる遊興。目隠しをして棒で… うんぬんかんぬんと書いてありますが、説明なくてもわかりますよね。 西瓜だと秋の季語になりますが西瓜割りは夏の季語。 最近はあまりやらないのか、例句が圧倒的に少なく作るには狙い目の季語かも。《海の話赤…

葛桜(くずざくら)

類似の和菓子に葛饅頭、水饅頭白い葛粉を水で溶いて火にかけて練って皮を作って餡を巻いて蒸して…熱い工程を経てできあがる清涼感たっぷりの夏の和菓子です。《塗り盆に葛饅頭のふるへをり/櫂未知子》《宵は灯の美しきとき葛桜/森澄雄》

『俳句自然塾』

今日はこの場をお借りして、小学3年生から6年生までを対象にした俳句講座のご案内をさせていただきます。下記の講座の案内をアップしますが、詳しくはNHK放送博物館さんのサイトをご覧頂き、先着順なのでご興味あるお子さんは早めにお申し込みいただけれ…

土用鰻

先日「土用」について書きましたが、今日は「土用の丑の日」です。 鰻は栄養価が高く夏バテ防止にいいとされ、土用の丑の日に好んで食べられるようになりました。江戸時代に平賀源内が鰻屋から頼まれて看板を書いたことに由来しているとも言われています。《…

仏桑花(ぶっそうげ)

別名:ハイビスカス・琉球むくげ ハワイや沖縄のイメージですが、原産は中国南部です。 最近では東京でも一年中屋外に置けます。《家よりも墓ひろびろと仏桑花/深見けん二》《村人にハイビスカスの長き舌/有馬朗人》

向日葵

別名:火車・日輪草・天蓋花北米原産。太陽の動きにつれて花の向きを変えるといわれますが、実際は蕾が花開くときだけ太陽の方向を向きます。《黒みつつ充実しつつ向日葵立つ/西東三鬼》《向日葵やみなこつち見てハイチーズ/津野利行》

海月(くらげ)

水母とも書く。写真は隅田川で見つけたもの。毎年この季節、東京湾から流れてくるようです。《沈みゆく海月みづいろとなりて消ゆ/山口青邨》《裏返るさびしさ海月繰り返す/能村登四郎》

サルビア

和名:緋衣草(ひごろもそう) ブラジル原産なそうですが、朱色のサルビアはどこか昭和でノルタルジックではありませんか。《サルビアを咲かせ老後の無計画/菖蒲あや》《サルビアの真赤な殺し文句かな/徳永球石》

他に、青簾・竹簾・葭簾・絵簾など。 写真の簾は江東区産業会館に展示されていたもので製作者は江東区新大橋の豊田スダレ店さん。《世の中を美しと見し簾かな/上野泰》

花氷

ホテルやデパート、イベント会場にある、大きな氷の柱の中に花を凍らせたものです。大きな氷で室温を下げるので、節電・エコないまの時代に、にわかに脚光を浴びている一面もあるそうです。見た目も涼しげで夏の季語です。 上記のような場所にあるので、どう…

百日紅(さるすべり)

樹皮が剥がれやすく滑らかな幹は猿も滑り落ちるというので猿滑と名付いた。 花期が長いため百日紅の漢名がある。白い花は百日白と書く。@八名川公園《咲き満ちて天の簪百日紅/阿部みどり女》

土用

「土用の丑の日だから鰻をたべよう!」という、あの土用って、みなさんなんのことだかわかりますか?私は若い頃、鰻屋のおやじに「おじさん、漢字間違ってるよ!」とか「おじさん今日木曜だよ〜w」ってな程度で、大人になったいまでもぴんときておりませんで…

緑陰(りょくいん)

緑が茂った夏の涼しげな木陰のこと。 昔は夏休み中に緑陰教室という学校行事があったそうです。 ちなみに私は聞いたことがありません。《緑陰は人に譲りて戻りけり/山田みづえ》

冷し酒 (冷酒)

写真は一の蔵酒造のひめぜん。とっても飲みやすい日本酒です。 隣に写っている梅酒も夏の季語になります。《わが死後へわが飲む梅酒遺したし/石田波郷》

夕焼

夕焼はいつの季節でも見られますが、夏の季語です。 別の季節の夕焼は、春夕焼、秋夕焼、冬夕焼といいます。 夕焼と書いて、「ゆうやけ」、「ゆやけ」、読み方は二つあります。 語数に応じて使い分けてください。 また一般的には送り仮名の「け」は省略しま…

蜜豆・餡蜜

昔ながらの甘味つまり和スイーツ。写真は葛餅で有名な亀戸船橋屋さんの、フルーツ白玉餡蜜。葛餅入りです。ちなみに、葛餅、白玉も夏の季語です。《蜜豆を食べるでもなくよく話す/高浜虚子》《あんみつが好きな大人になりました/津野利行》

松葉牡丹

別名、日照草 爪切草 旱魃にも衰えを見せず、繁殖力が強い花です。田舎の庭には必ずといっていいほど咲いてました。花屋さんでよく売っているポーチュラカの仲間です。《日照草麻疹のはやる村はずれ/三谷昭》

李(すもも)

李、漢字で書くと読めなくないですか?果物のすももです。 中国の長江流域が原産のバラ科の植物だそうです。 19世紀に日本のスモモがアメリカに渡り世界に広がったとのこと。《血の色のすももをたべて獣めく/荏原やえ子》《ももくろもすもももももももものう…

落とし文

オトシブミ科の昆虫が、葉に卵を産みつけて巻いたもの。公然とは言えないことや秘かに想う恋心を伝えるために伝えたい人の近くに落として拾わせた置き手紙「落とし文」に似ていることから名付けられた。@芭蕉記念館《音たてて落ちてみどりや落とし文/原石鼎…

盂蘭盆会(うらぼんゑ)

盂蘭盆、盆、新盆など、いわゆるお盆のことですね。 瓜の馬、茄子の牛なども季語になってます。 七夕と同じく、この季語も秋の季語になります。7月13日〜16日に行われる仏事。都心は7月に行うところが多いですが、地方では旧暦、月遅れの8月13日から行う地域…

蛍袋

別名は提灯花、釣鐘草 こどもが捕まえた蛍を入れるのに用いた花からついた名前だそうです。《提灯花要所に点る城の径/甲斐遊糸》

黒南風(くろはえ)

梅雨の雨雲が、黒く低く立ち込める空模様の時に吹く、湿った南風のことを「黒南風」と書いて「くろはえ」と読みます。 ちなみに「白南風(しろはえ)」もあって、こちらは梅雨明けした後、あるいは梅雨の晴れ間に吹く南風のことを言います。《黒南風の辻いづ…

日傘

強い日差を避けるための日傘は夏の季語です。 パラソル、ひからかさ、白日傘、絵日傘なども同類の季語です。 西洋式のパラソルが広まったのは明治になってからとのこと。 女性ものが多いし、男性はあまり用いないですよね。 でも最近こうも暑いと、男性だか…

凌霄花(のうぜんかずら)

別の呼び方として、のうぜん、のうぜんのはな中国原産の花のせいでしょうか。青竹と朱色の花がよく似合います。@江東区芭蕉記念館斜め向かいの通り沿い(深川神明宮の並び)《塵とりに凌霄の花と塵少し/高野素十》

青鷺

都立清澄庭園の主的存在です。庭園には白鷺もやってきます。《夕風や水青鷺の脛をうつ/与謝蕪村》