2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

弥生尽

旧暦の三月の晦日のこと。ひと月の終わりということじゃなく、「春」の終わりの日というニュアンスのようです。春はいい季節、秋もいい季節ですよね。夏はちょっと暑くて大変、冬は厳しい。なので春と秋は終わることを惜しまれる季節なんだそうです。弥生は…

花の雲・花の雨 平安以降、花といえば桜をさします。 [花の雲]は遠くに雲のようにたなびく桜のこと、[花の雨]は桜の季節の雨をいいます。 《花の雲鐘は上野か浅草か/松尾芭蕉》《吉野葛軒で買ひ足す花の雨/広瀬一朗》

諸葛菜

ムラサキハナナ・ハナダイコン中国原産。三国時代に諸葛孔明が栽培を奨励したことから名付けられたそうです。大根の花に似ています。《新聞のたまるはやさよ諸葛菜/片山由美子》

山桜・枝垂桜(糸桜・紅枝垂)バラ科サクラ属の落葉高木。桜は日本の国花で、種類は400ほどあると云われます。《さまざまのこと思い出す桜かな/芭蕉》《ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな/村上鬼城》 《山又山山桜又山桜/阿波野青畝》《まさをなる空よりしだれざくら…

土佐水木

3月から4月にかけて咲く土佐水木。その名前の通り高知県のみに自生していた落葉樹だそうです。ご覧のように垂れ下がって咲くのが特徴的で庭木としても好まれるとのこと。《土佐水木仰ぎて星の息と合ふ/古賀まり子》《土佐水木イヤリングにはできますか/津野…

三椏の花

ジンチョウゲ科の落葉低木の花で枝が三又三又に別れる。 樹皮は和紙の原料になります。《三椏の花三三が九三三が九/稲畑汀子》《家系亡びて三椏の花ざかり/鷲谷七菜子》

レガッタ

ボートレース、競漕東京では隅田川の早慶レガッタ、関西では琵琶湖瀬田川での競漕が有名。多くは花盛りの四月に行われます。 ちなみに今年の早慶レガッタは平成25年は4月21日に行われるそうです。 http://www.the-regatta.com/《レガッタの母校を囃し相識ら…

彼岸

春分の日がいわゆるお中日でその前後三日間を含めた計七日間がお彼岸です。単に彼岸と言えば春の彼岸のこと、秋の彼岸は秋彼岸と言います。暑さ寒さも彼岸までと言いますが今年も暖かい日が増えてきましたよね。≪東京の寺に詣づる彼岸かな/永井龍男≫

春分の日

昭和23年に制定された国民の祝日で、いわゆるお彼岸のお中日、3月21日ころです。戦前の春季皇霊祭の日だそうです。月曜日に祝日が集中するいまの時代ですが、春分の日は月曜日より日にち優先の祝日ですね。《春分の日をやはらかくひとりかな/山田みづえ》

浅蜊

アムスダレガイ科という種類の二枚貝だそうです。北海道から九州まで広く分布し潮干狩で採る貝としても有名ですよね。《浅蜊掘る太平洋を股のぞき/津田清子》

椿

藪椿・白椿・紅椿・八重椿・花椿・落椿日本にもともと自生していたのは藪椿。椿にも八重一重などたくさんの品種と色があります。写真はすべて江東区仙台堀川親水公園。《赤い椿白い椿と落ちにけり/河東碧梧桐》《花弁(はなびら)の肉やはらかに落椿/飯田蛇笏》

栄螺

リュウテン科の巻貝で太い突起状の角があります。角が発達しているのは外湾に棲息し、ないものは内湾に棲息してるそうです。栄螺は何と言っても壷焼きが有名、お刺身や和え物としてもおいしいですよね。《栄螺の殻つまめるやうに出来てゐる/加倉井秋を》

沈丁花

沈丁・丁字甘く強い香りが特徴です。和名の由来は沈香と丁字の香りをあわせもつからとも、香りは沈香で花の形は丁字であるからともいわれます。《沈丁や根岸の路地の石だたみ/藤岡筑邨》

雛菊

ヨーロッパ西部に自生するキク科の多年草の花。品種改良で花の大きさ、色も様々あるそうです。長命菊、延命菊、デージー《デージーは星の雫に息づける/阿部みどり女》

蕨餅

蕨の根の澱粉にもち米の粉を加えて作った餅。きな粉をまぶして食べるとおいしいですよね。《一日を余さず使ひ蕨餅/神蔵器》

雪柳

小米花 小米桜バラ科の落葉低木で中国原産です。小さな白い花が咲いた細い枝々はまさに柳に雪が積もったような美しさです。 《雪柳花みちて影やはらかき/沢木欣一》

春光

本来は春の風光のことだけど、春の光として詠んだ句が多いとのこと。まばゆい光や春らしい柔らかさを感じさせてくれる季語ですよね。春の色、春色、春の光なども同列の季語。《春光やさざなみのごと茶畑あり/森田峠》

この漢字は読めないですよね?(笑) 「つちふる」と読みます。「ばい」とも読みますが、わかりやすい別の言い方ですと、黄砂(こうさ)、黄沙(こうさ)と言うと何のことだかわかりますかね。 中国やモンゴルなど大陸の砂が偏西風に乗って飛来する現象。三…

卒業

春の大きな学校行事の卒業式。まつわるものほとんどが季語です。卒業生、卒業式、卒業歌、卒業証書など。《卒業歌ぴたりと止みて後は風/岩田由美》

風船

昔は富山の薬売りが来た時にくれたもんですが、最近は薬屋さんも置いていってくれない「風船」は春の季語です。暖かくなった春の子供の遊びで鮮やかな色も春らしいですよね。紙風船、ゴム風船、どちらでも季語です。「風船売」という季語もあります。《風船…

春夕焼

単に「夕焼」なら夏の季語です。四季それぞれに夕焼は見ることができますが、春の夕焼は柔らかいあたたかさを持ちながら沈んで行く夕日、夕焼と言った感じでしょうか。夏のギラギラと違ったやさしさのある夕焼が「春夕焼」ではないでしょうか。「春夕焼」と…

蕗の薹

蕗の芽・蕗の花早春、地中からでた蕗の花茎にできる。天婦羅や蕗味噌はほろ苦く風味があります。刻んで味噌汁に散らすと春の味わいがたまりません。 東北では、『ばっけ』と言います。 《煮て味のふかくかなしき蕗の薹/片山鶏頭子》《ほとばしる水のほとりの…