冬隣

今年は明日11月8日が立冬、暦の上では今日までが秋となります。もう冬が近くまで来ているという「冬近し」という季語のサブ季語にある「冬隣」という季語。みなさんはどんな冬の隣を感じますか? 《押入の奥にさす日や冬隣/草間時彦》

十月

「何月」は毎月が季語、簡単ゆえに句にするのは難しいですよね。ほかの月でもいんじゃねーの?ということにならないように作らねばならない。さてこちらの句はいかにも十月らしい句ですかねえ?角川の歳時記に掲載されていたので、それなりの人がそれなりの…

敗荷

「やれはす」と読みます。風などで破られたりぼろぼろになった蓮の葉。なんだか哀れですよね。『破蓮』と書いて「やれはす」と読んだり、「やれはちす」と読んだりもします。こっちの漢字の方がイメージしやすい感じ♪w 《敗荷の中の全き一葉かな/清崎敏郎》

赤蜻蛉

※この写真は丸山智慧子さんからいただきました。蜻蛉のうち体が赤い蜻蛉をこう呼びますが、実際に「赤蜻蛉」という名前の種はいないようですね。《この村の人より多き赤蜻蛉/今野貴美子》

櫓田

※この写真は天宮風牙さんからもらいました。稲を刈り取った切り株から新しい芽が生えてくる、それを「ひつじ」というそうですわ。それが田一面に生じるので「櫓田(ひつじだ)」という。なかなか読めないですよね、俳句でもやってないと倶楽部♪w《櫓田の踏…

※この写真はKikoEtsuko Matsuiさんから頂きました。日本沿岸を回遊していますが特に秋は味もよく大漁となるそうです。《鰯食ふ大いに皿をよごしては/八木林之助》

秋の風

※この写真は近恵さんから頂きました。初秋から晩秋と秋に吹く風すべてを指すことから、様々な情景、趣を持つのが秋の風。色なき風、金風、素風、爽籟など、呼び方もいろいろ。《もういちど吹いてたしかに秋の風/仁平勝》

葡萄棚

※この写真はDaisuke Teranishiさんからもらいました。秋の果物のひとつ葡萄は、棚をつくりそこにぶら下がるように生ります。葡萄棚の下での葡萄狩、楽しいですよね。 《老いてゆく恋人よ葡萄棚の下/今井杏太郎》★前に書いた「葡萄」 http://d.hatena.ne.jp/p…

秋茄子

※この写真は、師匠西村和子先生からもらった十全茄子です。あまりにおいしいせいか、「秋茄子は嫁に食わすな」なんてことわざがあるくらい。焼いたり、漬物にしたりと、まさに食欲の秋を代表する食材のひとつですね。《その尻をきゆつと曲げたる秋茄子/清崎…

秋思

「しゅうし」と読みます。秋は物思いにふけったり、どこか淋しくなったり、そんな季節ですよねって感じの季語です。雰囲気あり過ぎの季語なのでやり過ぎるとやり過ぎてしまう、そんな感じの季語かもしれませんw。わけわかんないかなあ?《分かち合ふ秋思ロ…

秋の蝉

※この写真は川越歌澄さんから頂きました。秋になってもまだまだ鳴く蝉いますよね。秋蝉と書いて「しゅうせん」と読みます。《川越えてしまへば別れ秋の蝉/五所平之助》

葛の花

※この写真はSheena Fujiharaさんから頂きました。秋の七草の一つだそうです。夏から秋にかけて穂状花序が立ち上がり、下から上へと赤紫色の花を咲かせるとのこと。《葛の花むかしの恋は山河越え/鷹羽狩行》

秋めく

※この写真は川越歌澄さんからもらった、私の母校蔵前工業高校の写真です。まさに秋らしくなることです。五感すべてにおいて秋の訪れを感じ取る、季節の移ろいを敏感に感じ取るような季語ですね。《秋めくや一つ出てゐる貸ボート/高橋悦男》

秋暁

※この写真はHiroko Shimaさんから頂きました。「しゅうぎょう」と読みます。秋の夜明のこと。立秋を過ぎ日の出の時刻はどんどん遅くなってきます。心理的に夜が長く感じることにもつながり秋の深まり、また皮膚感覚にも冷たさを感じてくるようになり、季節の…

秋遍路

※この写真は松下竜市さんからいただいた、西国四番札所「施福寺」の御朱印の写真です。だまって「遍路」と言えば春の季語、秋に行う四国八十八か所札所めぐりは「秋遍路」と言います。《本堂の裏にぐつたり秋遍路/佐藤旅史》

処暑

二十四節気の一つで8月23日ころ。「処」はおさまるという意味で暑さがおさまるころということなんでしょうが、今日も暑かったですね〜。 《処暑の荷を右に左に弥次郎兵衛/紅林照代》

秋の湖

※この写真はKikoEtsuko Matsuiさんからいただいた琵琶湖の写真です。ひと夏を越えた少しゆったりした感じがありますかね。秋晴れの爽やかさが、大きな湖の広がりを感じさせてくれる秋の湖です。「あきのみずうみ」とも「あきのうみ」とも読んでいいようです…

長崎忌

昭和20年8月9日、6日の広島につづき長崎にも原爆が投下され多くの犠牲者が出た。広島の原爆忌と同じく「原爆忌」とも言われ、平和や核の廃絶が呼びかけられる。 暦の上で9日は立秋をまたぐので秋に分類されるが、どちらかというと夏感のある季語、加えて平和…

通草

※この写真は玉手のり子さんから頂きました。「あけび」と読みます。約6センチの楕円形で熟すると果皮が裂けて黒い種子を多く含んだ白い果実が見える。果肉は甘いんだそうです。《あけびの実軽しつぶてとして重し/金子兜太》

秋深し

※この写真は中塚恵美さんから頂きました。秋もいよいよ深まってきた感じ。ちょっとさびしげな感じがしたりします。《秋深き隣は何をする人ぞ/松尾芭蕉》

竜胆

※この写真は丸山智慧子さんから頂きました。リンドウ科の多年草。9〜11月に筒状の鐘形の花を数個つけます。青紫色の花は日が翳ると閉じてしまうそうです。《りんだうの午後は目を閉づ花時計/秋元不死男》

秋気

秋の気配、秋の清々しさをいいます。《夢殿の一角ごとの秋気かな/森口千恵子》

子規忌

※子規庵の糸瓜(へちま)だそうです。9月19日は俳人正岡子規の忌日だそうで、糸瓜忌、獺祭忌とも呼ばれています。新聞帰社だったみたいですね。《叱られし思ひ出もある子規忌かな/高浜虚子》

蟷螂

※この写真は加納裕さんから頂きました。これもまた難しい感じですが「かまきり」ですね。「とうろう(たうらう)」とも「いぼむしり」とも言います。頭が逆三角形で前足が大きく鎌のようになっている昆虫です。交尾の際、雌の蟷螂は雄の蟷螂を食べてしまうと…

螽斯

※この写真は丸山智慧子さんからいただきました。読み方は「きりぎりす」です。キリギリス科の昆虫でイナゴに似ていて、チョンギースとおもに昼間に鳴くそうです。「機織(はたおり)」ともいうそうです。《きりぎりす時を刻みて限りなし/中村草田男》

花野

※この写真は玉手のり子さんから頂きました。秋に咲く草花、一面に咲く野原などをいいます。華やかさもある反面どこか淋しさも感じさせるのは秋という季節のせいなのでしょうか♪《昼は日を夜は月をあげ大花野/鷹羽狩行》

※この写真は岡島愛さんから頂きました。ブナ科落葉樹の実、見たことも食べたこともあると思います。剥くのがちょっと面倒w。《三つほど栗の重さを袂にす/篠田悌二郎》

初秋

秋のはじめ、立秋から八月のころを言う。まだまだ暑い日が多いものの、空や雲行きなどにどことない秋の気配を感じだします。「はつあき」とも読むし「しょしゅう」とも読むし、「秋はじめ」などと言ったりもします。《水に手をつけて貴船の秋はじめ/山上樹実…

水滴が空中に浮いてくもって見えにくくなる現象、状態で、春だと朧、秋だと霧と言うようですね。《落葉松(カラマツ)は霧を淋しと立ち揃ふ/富安風生》

七竃

※この写真は川越歌澄さんからいただきました。秋の季語だけどもらった時期、写真がいまだったので冬の時期のアップでごめんなさいね。バラ科の落葉高木樹で夏に白い小さい花が咲いたあとに赤い実を結ぶそうです。赤い実だけが残っているのも風情があるとのこ…