動物

アジ科の魚。ワカシ→イナダ→ワカサ→ブリというように名前が変化していく、いわゆる出世魚と呼ばれる魚です。寒鰤・鰤網・鰤釣る・鰤場《寒鰤を買へばたちまち星揃ふ/山本洋子》

蝶に似てるけど、ちょっとグロテスクな感じの蛾(ガ)。とても種類が多く、日本だけでも五千種もいるそうです。だいたいが夜行性みたいですね。《うらがえし又うらがえし大蛾掃く/前田普羅》 ※写真は中学の時の同級生、細井君からいただきました。

今日の季語は小さい生き物「蟻」です。夏の季語なんですねえ。連なって蟻が歩くのを「蟻の道」といい、また地面を掘って作る塚を「蟻の塔・蟻塚」などと言います。これらもすべて季語となります。《蟻這はすいつか死ぬ手の裏表/秋元不死男》

動物の季語もたくさんあるのですが、なかなか写真に収めるのが難しいので登場回数がどうしても減りがちです。今日は夏の季語の動物の中でも比較的撮影が難しいと思われる『蛇』の写真を入手しましたのでw、ご紹介させていただきます。 蛇は冬眠して啓蟄のこ…

お玉杓子 (かと) 

かと・かとの紐俳句ではお玉杓子のことを『かと』ともいいます。紐状態の卵を『かとの紐』といいます。《天日のうつりて暗しかとの水/高浜虚子》 《川底にかとの大国ありにけり/村上鬼城》

これも難しい漢字ですね。旧かなで「さへづり」と書いて「さえずり」と読みます。 そう、鳥がピーチクパーチク鳴くことです。早春から晩春にかけて、鶯、雲雀、メジロ、ホオジロなど、さまざまな鳥の鳴き声が聞こえます。《囀をぬけて一羽の飛びゆけり/上野…

浅蜊

アムスダレガイ科という種類の二枚貝だそうです。北海道から九州まで広く分布し潮干狩で採る貝としても有名ですよね。《浅蜊掘る太平洋を股のぞき/津田清子》

栄螺

リュウテン科の巻貝で太い突起状の角があります。角が発達しているのは外湾に棲息し、ないものは内湾に棲息してるそうです。栄螺は何と言っても壷焼きが有名、お刺身や和え物としてもおいしいですよね。《栄螺の殻つまめるやうに出来てゐる/加倉井秋を》

都鳥

カモメ科の百合鷗のことで、都鳥という呼び方は関東的な呼び方だそうです。それは「伊勢物語」の主人公が隅田川で『名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなし』と詠んだことによるものだそうです。なので関東以外では百合鷗で詠んだ方がいんでし…

小鳥

小鳥来る俳句で云う小鳥は秋に日本に飛来する小鳥、または山地から平地に下りてくる留鳥。 写真は江東区木場公園のキビタキ。《小鳥きて午後の紅茶のほしきころ/富岡風生》《小鳥来る音うれしさよ板びさし/与謝蕪村》

秋刀魚

秋の刀の魚と書いて秋刀魚、うまいことつけましたよね。私は魚を食べるのが下手でして、食べ終わると皿の上がぐっちゃぐちゃになってしまいます(笑)。《火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり/秋元不死男》《火より火を奪ひ烈しく秋刀魚もゆ/天野莫秋子》

蜻蛉(とんぼ)

とんぼう・塩辛とんぼ・やんま・赤蜻蛉・秋茜糸蜻蛉は夏の季語になります。《蜻蛉やとりつきかねし草の上/松尾芭蕉》《赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり/正岡子規》

空蝉(うつせみ)

蝉の殻・蝉の脱け殻 《空蝉やいのち見事に抜けゐたり/片山由美子》《空蝉は昨日にしがみつくかたち/村越敦(高2当時)》

海月(くらげ)

水母とも書く。写真は隅田川で見つけたもの。毎年この季節、東京湾から流れてくるようです。《沈みゆく海月みづいろとなりて消ゆ/山口青邨》《裏返るさびしさ海月繰り返す/能村登四郎》

落とし文

オトシブミ科の昆虫が、葉に卵を産みつけて巻いたもの。公然とは言えないことや秘かに想う恋心を伝えるために伝えたい人の近くに落として拾わせた置き手紙「落とし文」に似ていることから名付けられた。@芭蕉記念館《音たてて落ちてみどりや落とし文/原石鼎…

青鷺

都立清澄庭園の主的存在です。庭園には白鷺もやってきます。《夕風や水青鷺の脛をうつ/与謝蕪村》

夏の蝶

夏蝶・揚羽蝶・梅雨の蝶なども夏の季語として出ています。 ただの「蝶」ですと、春の季語になります。写真は幼虫から育てて羽化したナミアゲハと 庭園にいたアオスジアゲハです。《つまみたる夏蝶トランプの厚さ/高柳克弘》